2025年版の「御書統合システム」ならびに「御書システム」公開

ごあいさつ

 皆さまにはいよいよご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます。
 この度、新たに『御書統合システム』のホームページを開設するにあたり一言ご挨拶申し上げます。 当初、「御書システム」は日本語データベース「桐」を用いた日蓮遺文の検索システムとしてスタートし、その後日蓮遺文並びに他の関係資料データを興風談所ほか有志のスタッフが随時作成して、2001年5月に開催された「日蓮聖人の世界展」に公開したのが始まりであります。
 さらに2011年には、それまでの「御書システム」に加えて、
 「日興門流史料システム」
 「日蓮門下通用文献システム」
 「天台宗関係典籍システム」
の三つのデータベースを作成し、これらを『統合システム』の名称のもとに立ち上げました。その後も、現在までシステムの機能を使いやすく改良したり、各データ(法華経・現代語訳)の新設など、質量ともに充実させてホームページ上に公開・提供してまいりました。
 加えて今回のバージョンアップ版では、山上弘道著『日蓮遺文解題集成』のデータを全文収録し、それにともない従来の「目次」「本文」「年表」「辞書」等のデータもかなり改訂いたしました。また画面の構成やレイアウトをリニューアルして、いよいよデータシステムとしても完成の域に近づいてまいりました。よって今回より新生「御書システム」として、
 『御書統合システム』
をもって公式名称とし、ホームページも
 「御書統合システムホームページ」
と改称いたしました。皆様にはご理解、ご了承のほど宜しくお願い申し上げます。

 それでは以下、今回の『御書統合システム2025年版』に関する特長について申し述べます。なお、今回のリニューアルによりシステム全体を示す場合は『御書統合システム』、個別には「御書システム」「日興門流史料システム」「日蓮門下通用文献システム」「天台宗関係典籍システム」の各システム名を用いてまいります

【御書統合システム関係図】

 今回のバージョンアップ版は先にも述べましたように『日蓮遺文解題集成』を収録したことが最大の特長となります。御書「本文」のどこからも『日蓮遺文解題集成』にリンクし、各遺文の内容構成や文献的情報が得られるようになっています。なお旧システムにおける「解題」は「要旨」と改名し、遺文の内容を簡明に紹介・解説するコーナーとなりました。
 また『日蓮遺文解題集成』の内容に基づき、遺文の種類についてⅠ類「真撰遺文」、Ⅱ類「真偽未決遺文」、Ⅲ類「偽撰遺文」と仕分けを明示し、「目次」「本文」「通読」等でも各類を選択し、それぞれの遺文集として活用することができるようになりました。
 加えて大黒喜道編『訓下本 注法華経』の全データを「注法華経」として収録し、その内容を分かりやすく「経文」「原文漢文」「訓下本文」の三段に表示しました。これは日蓮聖人の真蹟『注法華経』(玉沢妙法華寺蔵)を考察・研究する上で貴重なツールとなりましょう。なお「注法華経」は法華経本文ともリンクし大変使い易くなっています。
 次に「天台宗関係典籍システム」では、既存のデータにプラスして、松林房政海撰『一乗論談抄 四』(『興風叢書〔25〕』(興風談所刊・令和3年12月)本文を収録しました。『一乗論談抄 四』の内容については、『興風叢書〔25〕』の解題を参照してください。同書には「一乗論談抄」第七・上(不軽品)、第七・中(神力品)、第七・下(薬王品・妙音品)、第八・上(観音品)、第八・下(陀羅尼品・妙荘厳王品・普賢品)の全文翻刻と一部の写真図版が掲載されています。今回の追加データにより『興風叢書』における『一乗論談抄』はすべて収録が終了することになりました。本書は鎌倉期における法華経の学問や中古天台の思想・教学を考察するに際して欠かせない貴重本であり、データをご活用いただければ幸いに存じます。
 「日興門流史料システム」「日蓮門下通用文献システム」では誤植や誤記等の改訂に努めましたが、データの追加などはありませんでした。今後とも引き続きご活用の程お願い申し上げます。
 今回のバージョンアップ版で大きくリニューアルした、データの質量や画面の構成・レイアウトについては、「御書システム」の「システム説明」にて粗々説明しましたが、まだ内容的に十全なものとはいえません。今年中をメドに『御書統合システム』の使い方マニュアルを冊子やPDF版にして、御書システムホームページ上に載せたいと存じます。

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 昨年度までは、本システムのダウンロードに関して、「統合システム」「御書システム」等を個別に配布してきましたが、近年は通信状況もかなり良くなってきましたので、今年度より配布するシステムは、『御書統合システム』もしくは「御書システム」のみの提供といたしたく存じます。
 前述しましたように、『御書統合システム』は、「御書システム」「日興門流史料システム」「日蓮門下通用文献システム」「天台宗関係典籍システム」の4つのデータベースで構成されていますので、自在にご活用いただきたくお願い申し上げます。
 今後ともデータ面の充実と使い方の工夫など、より良い『御書統合システム』を目指して精進してまいります。皆さまには、今年度も『御書統合システム』を引き続きご高覧・ご活用のうえ、種々ご教導を賜れば幸いに存じます。
    令和7年4月28日             興風談所代表 池田令道

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  • 「御書システム」ほか各システムのご利用に際しては、データを無断で改変や添削なさらないようお願いします。誤植や誤謬等がありましたら、次回バージョンアップ時に活かしてまいりますので、係まで御教示ください。
  • 「御書システム」ほか各システムは、日本語データベースソフト「桐10」「桐10s」で作成されており、「桐9」以前のバージョンでは使えません。「桐9」用更新データの配布は、2024年版をもって終了しました。
  • なお、「桐」は管理工学研究所により開発・販売されているデータベースであり、『御書統合システム』はその「桐10」「桐10s」の上で動くアドインソフトです。桐を試してみたい方は、別途「桐-無料トライアル版」をホームページから入手して一ヶ月試用するか、または、いつも最新の桐を必要な台数プラス必要な期間だけ利用可能な、「桐スマートライセンス」(サブスクリプション:月額1056円~)のご利用をご検討ください。
  • 御書統合システムホームページでは、『御書統合システム』および「御書システム」を配布(フリーウェア)しています。『御書統合システム』には、「御書システム」、「日興門流史料システム」、「日蓮門下通用文献システム」、「天台宗関係典籍システム」、その他のデータ(注法華経・六巻抄等)が含まれます。

『御書統合システム』のサポート、アップデートは当ホームページにて行います。 下記メールアドレスまでお問い合わせください。また「御書システム」ほか各システムに関するご意見、お問い合わせは下記までお願いします。